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橘花(きっか)は、第二次世界大戦末期に大日本帝国海軍が開発した双発ジェット戦闘攻撃機〔#海軍軍備(6)特攻戦備p.50『橘花|(目的)近距離に近接し來る敵艦船を攻撃するに適し且多量生産に適する陸上攻撃機を得るに在り|(型式)タービンロケット 双發 単葉型|主要寸度(米)極力小型とし折畳時の寸度全幅五.三 全長九.五 全高三.一〇|(装備原動機)TE一二型 二基|(搭乗員)一名|最高速度(節)海面上三三五 高度六〇〇〇米で三六五|(航続力)海面上二〇〇浬 高度六〇〇〇米で三〇〇浬|(上昇力)記載なし|降着速度(節)八〇|爆弾(瓲)五〇〇|(無線兵装)二式一號無線電話機 受話機のみ|担任航空隊(開隊年月日)七二四空(二〇.七.一)|(記事)試作実驗中 豫定期日を約半ヶ年経過したが完成せず』〕。日本初の純国産ジェット機である。エンジン開発は主に空技廠が担当し、機体を中島飛行機が開発製造した。 ネ12B装備型を「橘花」、ネ20装備型を「橘花改」と正式には呼称する。試作機はそれぞれ、「試製橘花」、「試製橘花改」と呼ぶ。「陸上攻撃機」、「戦闘機」、「複座偵察機」、「複座練習機」の4機種が試作された。海軍略符号は無い。 == 概要 == === 開発 === 1944年(昭和19年)8月、日本は高高度を飛行するための過給機付き高性能レシプロエンジンの開発にも行き詰まり、原油生産地のマレー半島と日本本土間の制海権の喪失から燃料事情も悪化していく状況にあった。海軍は低質燃料、低質潤滑油でも稼動し、レシプロエンジンに比較して構成部品が少なく簡易で高性能なジェットエンジン(噴進機関、タービンロケット)を装備した陸上攻撃機を「皇国二号兵器」と仮称して企図し、同25日、中島飛行機に開発指示を出した。 初期原案は3案あり、第1案は胴体の上下にエンジンを配置する胴体上下コンパウンド型(双ブーム支持)、第2案はエンジンを胴体側面に埋め込む胴体埋め込み型、第3案はドイツが開発した世界初の実用ジェット戦闘機メッサーシュミット Me 262と同様に主翼下にエンジンを懸架する翼下懸架型であった。第2案が最も進歩した方式であったが、ネ20の小さい出力と製作工程での簡易化が検討された結果、第3案が採用された。技術面の問題もあったと言われている。 その後、同盟国のドイツに駐在する日本陸海軍の将校と技術者がメッサーシュミット Me 262に関する技術資料を入手することを決定し、哨戒艇用に日本が開発した小型ボート用のディーゼルエンジンが欲しかったドイツ側と、戦闘機用にMe 262のエンジンが欲しかった日本の合意のもと、ドイツの占領下のフランスのツーロン軍港から日本とドイツの潜水艦で設計図を運んだ(遣独潜水艦作戦)。 輸送に用いられた潜水艦はお互い1隻のみであり、ドイツの潜水艦は1944年末頃に日本占領下のインドネシア(オランダ領東インド)のバリクパパンに到達、上陸の後に日本海軍士官と情報交換した。その後、日本海軍潜水艦はバシー海峡でアメリカ海軍潜水艦の攻撃を受け沈没。また、ドイツ潜水艦が無事にドイツに帰還したかに関しては不明である。ドイツから得たMe 262に関する情報は、潜水艦が撃沈されたためにシンガポールで零式輸送機に乗り換えて帰国した巌谷中佐が持ち出したごく一部の資料を除いて失われてしまい、肝心な機体部分やエンジンの心臓部分の設計図が存在せず、結果的に大部分が日本独自の開発になった。 開発にあたり当初、橘花は固定武装の機銃を装備せず、胴体下に500kgまたは800kg爆弾を1つ搭載し、陸上から発進して敵艦に対し水平爆撃・緩降下爆撃を行うものとして計画された。一説には「三式25番8号爆弾または仮称四式50番8号爆弾」という反跳爆弾を用いた反跳爆撃も計画されていたという(試製橘花計画要求書案記載)。第二次試作機からは軍部からの要請でMe 262の30mmMK108機関砲に匹敵する五式30mm固定機銃一型乙を装備したが、銃砲の数は2挺とMe 262の4挺と比べて半分である。そればかりか装弾数もMe 262の360発と比べて本機は100発と少なくなっている。 速度は海面上335ノット(約620km/h)と高度6000mで365ノット(約676km)、航続距離は海面200海里(約370km)と高度6000mで300海里(約555km)を予定した〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「橘花 (航空機)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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